田村潔司×高阪剛(1998年6月、東京ベイNKホール)

今でこそMMAといえばOFGを付けた試合が定番です。しかしひと昔前、競技化への試行錯誤の時代は、いわゆるUWF系による模索がおこなわれてきました。
 
今のMMAと異なる点は、
 
・OFGをつけない
・原則パウンドはなし
・レガース、膝パット着用
・ロープエスケープ、ダウンは5回まで
 
といったところですね。
 
 
で、とくにリングスの場合は、KOK以前は寝技における打撃は全面的に禁止されていました。
 
そしてこういう場合どのような試合展開になるのかというと、とにかく絶え間なく動き続けるプロセスが展開されていきます。
 
いわゆる回転体と称されるムーブですね。
 
寝技での打撃がないので、パウンドを恐れることなく、さらにマウントを取られてもそれは決してピンチにならず、そのため、果敢にアタックを仕掛けることができます。しかもロープエスケープありですので、さらにリスクが減ります。
 
 
そしてその顕著な試合が、90年代後半の田村×高阪の試合ですね。Uやリングススタイルの真骨頂というか、技の応酬と両者のスキル、30分間最初から終わりまでの展開が最高です。
 

 
今となっては総合でパウンドがある、グローブを付けるのは当たり前となっていますが、その過程で上記のような素晴らしい試合があることを忘れてはならないと思います。